宇宙船クーデター号 ~絶妙な間とタイミングの天文学的情報量について~

旅するケンタとサクラの目の前に現れた謎の少年! 何を聞いても「それ、うめぇのか?」と繰り返すばかりの野生児と粘り強くコミュニケーションを図ろうとする二人にも、さすがに疲れの色が見え始めるのだった!「これでは埒が明かないな……」「まさか、こんな…

『現代児童文学作家対談5 那須正幹・舟崎克彦・三田村信行 』神宮輝夫

那須正幹・舟崎克彦・三田村信行 (現代児童文学作家対談) 作者:神宮 輝夫 メディア: ハードカバー この毎週日曜8時に更新するようになっている書評だかなんだかで表題になっている本は、一連の考え事が始まるきっかけになった本というだけで、読んでもなか…

『作家の仕事部屋』ジャン=ルイ・ド・ランビュール編、岩崎力 訳

作家の仕事部屋 (1979年) メディア: - 私が好きなのは、該博な知識を駆使した仕事ではありません。私は図書館が嫌いです。図書館ではほとんど本が読めないと言ってもいいほどです。重要なのは後楯となるテキストとの、直接的な、現象学的な接触なのです。私…

『松本隆対談集 KAZEMACHI CAFE』松本隆

松本隆対談集 『KAZEMACHI CAFE』 作者:松本 隆 発売日: 2005/03/19 メディア: 単行本 亡くなったから書くわけでもないが――と言っても亡くなったから読み返した以上、亡くなったから書いているのだろう。 誰が相手でも興味深い話の連続である本書には、筒美…

『佐倉牧 野馬土手は泣いている (続) 』青木更吉

佐倉牧野馬土手は泣いている (続) 作者:青木 更吉 メディア: 単行本 前に成田の辺りを歩いていたら、こぢんまりとしているが手入れの行き届いた寺があった。説法山多聞(門)院という。観音堂と小さな大師堂があり歴史も古いようだが、何より一番目立つのは…

『鷗外随筆集』千葉俊二 編

鷗外随筆集 (岩波文庫) 作者:千葉 俊二 発売日: 2015/01/22 メディア: Kindle版 昔から、これに入っている「サフラン」が好きで、時々本棚から出して読む。「これはサフランという草と私との歴史である」という文にまとまる随筆だが、歴史といっても短く、す…

『記憶よ、語れ――自伝再訪』ウラジーミル・ナボコフ、若島正 訳

記憶よ、語れ――自伝再訪 作者:ウラジーミル・ナボコフ 発売日: 2015/08/07 メディア: 単行本 自分が見るなり思い浮かべるなりした光景を文にして、それを読んだ誰かが光景として頭の中に立ち上げる。基本的にはそういうイメージの伝言ゲームに関わっているわ…

『僕の知っていたサン=テグジュペリ』レオン・ウェルト、藤本一勇訳

僕の知っていたサン=テグジュペリ 作者:レオン ウェルト 発売日: 2012/09/01 メディア: 単行本 芸能人の自殺の報が多い。本人のことは何もわからないけれど、自分と同じような情報しか持っていないはずの人々からかなり色んな言葉が出てくる。ちょっと見ただ…

『子どもに聞かせる えらい人の話』

息抜きに書評を書きためて少しずつ出している。色々済んだ時、本棚を眺めてこれはと目についたものを手に取ってちょっと読んで書いたりして、書けたりして、amazonの商品紹介でも貼り付けようとしたらもう売ってないものも多い。こうなると本代の足しになれ…

『自然な構造体―自然と技術における形と構造、そしてその発生プロセス』フライ・オットー他、岩村和夫訳

自然な構造体―自然と技術における形と構造、そしてその発生プロセス (SD選書) 作者:フライ オットー 発売日: 1986/07/01 メディア: 単行本 先日、中国の緑あふれる集合住宅というコンセプトの高級マンションで蚊が大発生し、もうろくに人が住んでいないとい…

『契れないひと』たかたけし

契れないひと(3) (ヤングマガジンコミックス) 作者:たかたけし 発売日: 2020/09/04 メディア: Kindle版 「同人誌仲間」のことばかり書いていると、作品だけを見つめた感想は難しい。 あんなウンコの漏らし方をした人間がその後、同じ職場でまともに働き続…

『いまだ、おしまいの地』こだま

いまだ、おしまいの地 作者:こだま 発売日: 2020/09/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) こだまさんの新しい本が送られてきた。 帯で酒井若菜が「読んでも読んでも疲れない」と書いている。それが褒め言葉になるかどうかはさておき、なんとなく頭に入れな…

『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子

サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する 作者:梯 久美子 発売日: 2020/04/24 メディア: 単行本 サガレンはサハリン/樺太の旧名である。 死んだら人はどうなるか。どこに行くか。というか、この前死んだ「わたくしのいもうと」のトシはどうなったのか、どこに…

『鳴雪自叙伝』内藤鳴雪

鳴雪自叙伝 (岩波文庫) 作者:内藤 鳴雪 発売日: 2002/07/19 メディア: 文庫 制度や文化の違いはあれど、昔の人の感覚や営みが今の人と比べてそれほど変わらなかったとかは、知れば知るほどいいというか、何度も繰り返し知っていかないと、すぐに実感から遠く…

『揺れうごく鳥と樹々のつながり 裏庭と書庫からはじめる生態学』吉川徹朗

揺れうごく鳥と樹々のつながり (フィールドの生物学 25) 作者:吉川 徹朗 発売日: 2019/03/29 メディア: 単行本 このご時世、マイクロツーリズムなんて言葉も注目されているが、当地に住んでいても顧みられないものというのは沢山あって、遠出して求めている…

『「馬」が動かした日本史』蒲池明弘

「馬」が動かした日本史 (文春新書) 作者:明弘, 蒲池 発売日: 2020/01/20 メディア: 新書 古墳時代、王宮に仕える大工の名人がいて、「自分はミスをしない完璧人間で逆に苦労が多い、巨乳は肩がこるみたいな感じ」などと凄くいやなアピールをしてくるので、…

チー牛マスクの最期

その日のチー牛マスクはなんだか様子がおかしかった。もちろんそれが、巷で話題のネットスラングのせいなことぐらい、ぼくにはわかっていた。「今日も助かったよ、いつもありがとう、チー牛マスク」「お安い御用さ、西田くん」 そのお礼にすき家をおごるのが…

『木工少女』濱野京子

木工少女 作者:濱野京子 発売日: 2020/01/10 メディア: Kindle版 この前ツイッターで、あるおじいちゃんが亡くなって、孫が棺にじゃがりこを納めたので何かと思ったら、二人は家族に見つからないようによく食べていたということで、さらに後日、そのおじいち…

『ケベックの女性文学―ジェンダー・エクリチュール・エスニシティ』山出裕子

ケベックの女性文学―ジェンダー・エクリチュール・エスニシティ 作者:山出 裕子 メディア: 単行本 このブログはかつての自分に書いているようなところがあるので、いちいち説明もしていきたいけれど、カナダの公用語は英語である。ただし、フランス系の植民…

『ナチを欺いた死体――英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』ベン・マッキンタイアー 小林朋則訳

ナチを欺いた死体 - 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実 作者:ベン・マッキンタイアー 発売日: 2011/10/22 メディア: 単行本 スパイにまつわるものをいろいろ読んでそのことを考えているうちに、小説に書き込もうかというぐらいに根ざしてきたと思い、さら…

『柳田國男全集 31』

柳田国男全集〈31〉 (ちくま文庫) 作者:柳田 国男 メディア: 文庫 最近、訳あって自分勝手に本を選んで字数も気にせず書評を書いたらすごく快く、やはり自分は書くのが好きっていうか、そればっかり楽しくて生きているし、いつからか全てそこに還ってくるよ…

『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』新発売!

ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ|国書刊行会 『最高の任務』で第162回芥川賞候補となった現代文学の新星、乗代雄介がデビュー前から15年以上にわたって書き継いできたブログを著者自選・全面改稿のうえ書籍化。 総数約600編に及ぶ掌編創作群より67編…

たかの2巻とのりしろの本

けっこう前に、たかの2巻が出た。 たかの2巻が出るなんて、とはもうさすがに思わないのは、たかの1巻が出た時に予想ができていたからで、順調な連載のペースに応じて出るべくして出たのだった。 何らかの創作物を見て、上手い絵だとか巧みな見せ方だとか…

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たかの1巻

たかの1巻が出た(作品の話はしない)。 たかの1巻が出るなんて、ネットでやりとりを始めた十数年前には夢にも思わなかったし、初めて会った八年前も思わなかったし、たかさんがちゃんとマンガを描いて色々動き始めていた五年前ぐらいに逆に一番思わなくな…

保坂和志さんと対談した

保坂和志さんと対談した。何が話せたわけではないけれど、保坂さんの「群像」の連載に自分のことが書いてあったので書きたくなった。 その連載の第六回のタイトルは「鉄の胡蝶は歳月に夢は記憶の彫るか」となっており、単語が固定されないで水に浮かんでるみ…

十一月の朗読

教室の南側は全て窓ガラスがはめこまれているというのに、その日の天気を覚えられていない。学活の時間を二時間とって予告されたお楽しみ会の、二週間前から準備されたお楽しみは、十名の出し物からなっていた。 その中でも、ノブヒコが楽しみにしていた唯一…

ワインディング・ノート32(サリンジャー/キルケゴール/『死に至る病』)

もう少し「星」を頼りに話を進めましょう。「シーモア―序章―」で、語られ役であるシーモアは「小説家」である弟のバディに向けてこう批評を綴ります。 なつかしきバディよ、今夜は陳腐なこと以外、何を言うのも恐ろしい気がする。結果はどうあれ、どうかおま…

ワインディング・ノート31(村上春樹/『驚きの皮膚』/cero)

とくに年若い時期には、一冊でも多くの本を手に取る必要があります。優れた小説も、それほど優れていない小説も、あるいはろくでもない小説だって(ぜんぜん)かまいません、とにかくどしどし片端から読んでいくこと。少しでも多くの物語に身体を通過させて…