2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

元ゴリラハンター

元ゴリラハンターは、ゴリラ狩をする人ではなく、むしろゴリラで、かつ元ハンターなのである。現在もゴリラはゴリラなのである。 元というからには、現在はハンターを止めている。何をしているかというと、草一本生えない乾いた大地を果てに果てにと歩きなが…

難しい年頃

俺がまだクソガキだった頃、俺の心に縫い付けられていた言葉は「ラブ・オア・ピース」で、縫い付けたのはママンだった。どういうことかと言えば、どっちかでいいだろ、なぜならラブがあればピースが、ピーズがあればラブもお前の後ろについてくるというカラ…

ヒーロー最高級

こんにちは、ぼくがヒーロー最高級です。日々、悪を倒すぞ倒すぞという姿勢を見せ付けることで毎月の給料をもらっています。 突然ですが、ぼくのロマンティシズムもまた最高級です。ロマンティックに悪を倒すことこそモテる秘訣だと思っているので、ぼくは「…

魔王

環境破壊が進んでいることにMK5だった魔王は、ッポン人(日本人。主に悪口を言うときに使用)が半袖で過ごしたりエアコンの設定温度を上げたりしただけで環境に優しいづらをしているのを見て、いよいよMKの運びとなった。 すぐに「俺を殺せ。殺しに来い」と…

チューチューカルテットのメンバーを紹介

ご存知、俺たちチューチューカルテット。全国を放浪しながら、時々チーズを食べられればじゅうぶん幸せだ。心も体もドブネズミ、鼻は動きっぱなしなんだぜ。 俺たちはキャラを立たせていることが世知辛い世の中を乗り切っていくコツだと信じている。キャラが…

クマ・プレゼンター、シューズ業界改造計画

その日、午後三時きっかり、全国の有名シューズメーカー各社の会議室に同時多発的にクマが入ってきた。 クマは持ち前の迫力でホワイトボードを乗っ取ると、まず人間の秘書に向かってお茶を要求した。会議室はどこも騒然としたが、全国の社長たちは「いや、こ…

ゴローイング

「顔がだんだん山田五郎になるなんて嘘だろ母さん」とヒロタカは泣きついたが、本当だった。もちろんお母さんだって嘘だと思いたかった。でも、「嘘よ」と面と向かって言うにはヒロタカの顔はもう山田五郎山田五郎しすぎていたのだ。そう、少なく見積もって…

家族カラオケ

カツオは憤怒していた。サザエが、一発目で自分の十八番『LOVE PHANTOM』を早々に歌ったからだ。 今回の家族カラオケに対して持っているノリノリ感やハイモチベーションを如実に表していたメロンソーダの注文をカツオは取り消し、代わりに「ウーロン茶で」と…

全ての偉大な人にお金を

ぼくは「ゆうちょ」から全てのお金を引き出してきて、財布に入っていた小銭と一緒に机の上に並べた。貯金箱の中には何も入っていなかったが、気持ちを示すために割った。 8761円をこれからぼくは分配する。全ての歴史の中の、全ての偉大な人たちに。 「…

いが西のピンチに山本が

いがらし西高校は二時間目と三時間目の休み時間に入っていたが、二年一組の窓際にいた神林の声がその平穏な学校生活を一変させた。 「やばいよ、みんなやばいよ。俺たちはも終わりだ。校門のところに不良が来てるんだ!」 弁当を食べていた山本とトイレに行…

敵は体育教師(リメイク)

誰よりも早くその言葉を叫びたい。シンゴは中学生にもなってそれしか考えていなかった。大人からは多感な時期といわれているはずなのに、シンゴはそれしか考えていなかったのだ。暇さえあれば女の子や注目の若手芸人やスラムダンクの続きのことなどを考えて…

こういう書き方の練習してるだけやから大丈夫やで、ほんまやで、多分

衛星第二で桑田佳祐ライブの完全版が再放送されているのを見ながら、ぼくは血液型の話は嫌いだけど、その一方でB型であることを誇りにしている節があると自己分析した。 だから、机に置いてある様々な宝石を組み合わせて作られた地球儀を高速で回転させた。…

捨てロックバンド

その日は雨だった。こんな日は、いつも雨が降る。落下する雨粒一つ一つが街灯や車のライトの僅かな光のつぎはぎの中で、白い線となってぼくの前をふさぐような強い雨だった。道路の両脇の排水溝からは雨水が溢れていた。 「ごめんよごめんよ」 そう言いなが…

冷凍マンモスに関しては全然興味が無いんだ

死ぬ前に食べたいのはマンモスの肉、こんなことを言う俺は日本一キュートな存在だと思っているんだ。だってもう絶滅したマンモスを夢見てそれを食べたいと目を輝かせているピュピュピュピュアな気持ちは相当キュートだものね。しかも俺の場合、はじめ人間ギ…

中の下

アイスのふたをなめることで山田家は、自分達は中の下の家庭なんだということを意識づけたが実際は下の中だった。給食費をなんとか捻出できれば下の中だと言われている。しかし、最近では給食費を払えるけど払わないという反則ぎりぎりの裏技というか反則が…