2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

マサオの世界陸上

別に何も成し遂げていないマサオだが、バスタオル3枚分のでかい国旗で身を包まれた途端、不思議なほど世界三位以内に入った気分になった。マサオはそのまま家を出た。 マサオは体力には自信があり、世界陸上の女子マラソンで一番遅い人にギリギリで負けるぐ…

なにじゃねえよ

横尾のピースやチョキやVサインなどはとてもよく広がり、一瞬パーを出しているかと思うほどだったので、みんなは、たぶん横尾フォーク投げれる、と思った。 そこで、横尾はいじめられっ子なのでちょうどいいので、みんなは、横尾ちょっと来いよ、と言って放…

超ボランティア

ここは日焼けとサーフィンと桑田佳祐の町、湘南。そして海岸。マサヒコはすばらしい気分で海岸のゴミをつぎつぎと袋に入れていった。そんなマサヒコの背中からは、ボランティア参加者特有のある種のアドレナリンが、汗と一緒に分泌されているように見えた。 …

かぶき揚げは友達か

黒板に書かれた「かぶき揚げは友達かどうか」という下手な文字は、改めてぼくたちに、問題の複雑さと書記は立候補で決めるべきじゃないということを思い知らせた。 事の発端は、クラスで浮きまくっているため「浮島真島」という「うつくしまふくしま」と同じ…

腹ぺこライオン

毎日毎日シマウマとガゼルばっかり食べて栄養が偏りがちなのではないかと思われている我々ですが、そもそも、はじめのうちシマウマなんか気持悪がって誰も食べませんでした。毛の色が、生で見るとかなりパンチがきいているのでした。 ある晴れた暑い日、我々…

おもしろ消しゴム誕生秘話

二十世紀最大の発明の一つ、みそラーメンの形をした消しゴムが生まれるまでには様々な苦労があったとされています。 そもそも、消しゴムは四角いものです。そして人々も、いつまでもいつまでも四角い消しゴムでいて欲しいと願っています。しかし、消しゴムは…

ポチは抱かれながら、身をもがいて大あばれにあばれ、わたしの手をなめ、胸をなめ、顎をなめ、頬をなめ、なめてもなめてもなめ足らないで、わるくすると、口までなめる。父が面をしかめてきたないきたないという。なるほど、考えて見れば、きたないようでは…

ぼくとハトヤ

ぼくが好きなテレビタレント達が、伊東に行くならハ・ト・ヤ、ハ・ト・ヤに決めたのCMの、察するに人が抱えてる活きのいい魚がビチビチビチビチなっているらしい映像のことをいじるたびに、それを見たことがないぼくは悲しい気持ちになってしまいます。し…

ライバルパン屋さん激突

どうして南口のパン屋さんはあんなに流行っているんだ、と怪しんだ北口のパン屋さん店主、今野は小学生の頃からすぐ人を怪しむタイプだったが、それはともかく、自分のことをコンクリートジャングルが生んだイースト菌大臣と名づけていた。 南口のパン屋さん…

九月の第二土曜日

●ウイングの意味「今日こそ、お前が、俺の舐めてきた辛酸の味を知るときだ。その辛酸は、近いところで言うと、鉄みたいな味だ」 言っちゃったよ、味言っちゃったよ。6年2組の相沢ソウイチロウの宣言に対して、6年1組の畑中トオルはマイブームの内心ツッ…

九月の第二土曜日2

●香山ハルナの借り ハルナは恐れていた。今にも「じゃあこのページを、香山さん」と先生が言い出すのではないかと。 教科書を忘れることなんて今まで無かったハルナは必要以上に怯えていた。忘れた時は忘れたと言えばいい、なんてことは大人にならないとわか…

スピード&ビューティー(たかさんから)

速すぎて、そして美しすぎてあなたが見えない、いざ星の彼方へ。というキャッチコピーでならした女格闘家、速星美し子(はやぼしうつくしこ)は、会場入りの時点でもう速すぎてそして美しすぎて見えなかったので、会場入りしたのかどうかはっきりしなかった…