2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

チャームポイント

わかりやすく言うと、例えばドラゴンを倒しに行くんならより多くのチャームポイントを持っていてほしい。小学校の卒業文集、色々な「○○しそうな人」ランキングで一つもランクインしないような奴に、誰がドラゴンを倒して欲しいと思うだろうか。会社勤めのお…

ドラえもん徹底討論

4年1組の教室に並んだ小学生達は、次の学活、国語や算数と同じく一時間を割いて行われる中学だとロング・ホームルームなんて言い方をされるあの時間に向けて、自分の考えをもう一度整理しようと、誰一人席を立たずにいた。 いよいよ始まった学活の今日の議…

スモールライトドリーム

小さくなって好物を腹いっぱい食べたい。あなたの人生においてドラえもんの存在が大きければ大きいほど、僕の夢に強く賛同してくれるはずだ。そういうわけで僕は同志を集めた。市役所から一時間単位で借りることができる会議室は熱気むんむん、僕はスモール…

朝顔に病気のかかる

水やりが面倒なのはみんなそうだ。それが裏庭に置いてあるならなおさらそう。僕はろくすっぽ水をやらなかった。でも、僕の朝顔だけ悪い病気になったのは別の理由があると思う。みんながみんな水遣りをしていたわけではないし、僕のだけ病気になるなんてちょ…

宇宙の向こう側

宇宙空間広しと言えども、土星の裏からやってきた流星野郎、スターダストワルツほど速い流星はいないんじゃないかと思われた。 スターダストワルツは友達と並んで宇宙を超スピードで流れている最中も、それを超える超・超スピードで動き出して五秒間だけいな…

ペガサスわっしょい

わっしょいわっしょいと気分良く上げ下げしていた御輿の通り道に立ちふさがったのは、伝説の動物ペガサスだった。真っ白だ。 「こんにちは、私がペガサスです。真っ白です」 ペガサスは羽を折りたたむとペガサスらしくないという理由で、羽を広げたまま話し…

都会、情熱、大陸

おばんです、という挨拶が鼻についた時、小倉の心の中の都会に高層ビルがもう一つ、フリーターの力だけで建造された。小倉は高いところに設置されたテレビを見るのを止めて、定食屋を出た。 「もうあの頃の、イモ畑を横切って近道したオグちゃんはいねえのか…

おじさんと子供達

風のようにやって来て、子供だけの力で六段ピラミッドにチャレンジして失敗して空き地で苦しんでいた子供達を介抱してやると、白い袋をかついだおじさんは立ち上がった。 「大人を信用しちゃいけないよ。それじゃ」 おじさんが歩き出すのを、子供達は膝下に…

泥つき

萩村ハヤトはその瞬間、確かにたじろいだ。こんな泥つきっていうか土のついた大根をそのまま食えるはずがないと思ったからだ。 そっと周囲を見回すと、お父さんもお母さんと、それにおじいちゃんもこっちを見ている。微笑んでいる。 「新鮮だからおいしいよ…

待つババア

©Judy Mundy http://www.jmundyphotography.com/ ババアはいつも、どこを見ているかわからない目で、道の遠くをぼんやり眺めている。 ババアは待っていた。もう決して帰って来ることはないジジイのことを一日千秋の思いで待っていた。小雨の日も風の日も、バ…

モグラ叩き

僕はモグラ叩きをしている。いつからモグラ叩きをしていたのかはわからない。でも僕は、ずっとずっと、モグラ叩きしかしていなかったような気がしている。 僕が陣取っている腰までの高さのボックスは、横幅が両手を広げた長さ、つまり一尋あり、奥行きもそれ…

山は俺に気付かせてくれた

俺は今日から山に篭った。 まず俺は暫く山を下りないために自ら片方の眉毛をそり落とすことにした。明らかに大山倍達のパクリだったが、別にいいだろ、そもそもお前に何の関係があるんだよ、俺がパクったこととお前に何の関係があるんだよ沼田、うるせえよ!…

コンパスや分度器は使用してはいけません

武器はコンパスただ一つ。相手も条件は同じだが、どうやら相手はコンパス術を嗜んだこともあるらしい。 昨日、工場の跡地。相手は最初、囲碁での勝負を求めてきたが、俺は囲碁を知らなかった。なら五目並べで、と相手は言ったがそれも俺は駄目だった。俺は「…

割り切る

スイカもメロンをクリアーして、どこまで割るつもりなんだ。だんだん徐々に徐々に小さくなっていくフルーツをどこまで割っていくつもりなんだ。観衆の視線はその男に釘付けだった。開始前に行われたアンケート「透けなさそうなもの」で2位になった消しゴム…

まだまだ小学三年生

サンドイッチについてるパセリ食べれる食べれない論争に決着をつけたのはやっぱり淀川タケシだった。 「食えるけど食わねえよ」 こんな時、頼りになるのはいつもタケシだった。 チョコボールのキャラメル味はありかなしか論争の時も、チューペットは何かつい…

一年に一回書くという普通の日記

ゴィークということもあって、実家に帰ってみた。実家に帰るとなんだか落ち着かなくてたいていは一日、ひどい時は当日の終電で一人暮らしの我が家に帰ってきてしまうのだけれど、今回は家族が二年半ぶりに一堂に会したという珍しい状況だったのでさすがに退…