2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「もうゲロ吐くよ」 バスに乗っているわけでもないのに、放課後、楽しく遊んでいただけなのに、林林(はやしばやし)君は突然座り込んでそう言った。そして、顔色も悪かった。あんまりメロンって感じがしない網あみのないメロンの外側みたいな色になってた。…
「ドブ山くそネズミ郎ども、集まっているな。大集合かな。朝ごはんはちゃんと食べたか。お前らはカゴに入っている時と外にいる時のイメージが全然違うね。外にいるとなんかやだね。なんか汚いね。さて、もうすぐニャンパルゲ閣下が御到着なさる。徒歩で御到…
一週間ぐらいは更新しないんじゃないかと思いますが、するかも知れませんね。 気分転換と更新めんどくささから、一年ちょっと経って数も200超えた過去の創作を見返していって自分でコメントをつけていってみようかなと思ってます。
「今回の発明は、自分らしさがよく出ていると思う。今まで色んな発明をしたけど、今回の発明ほど自分史を書きたくなるものは他に無かった。ちょっと実際にやってみよう。まず、そこに立ってみたまえ」 博士が後ろに手を組んだ余裕の体勢で助手に向かって指示…
地球に来てはや一年、朝起きたら玄関に牛乳が置いてあるシステムによって、カルシウムマンは故郷のカルシウム星にいる時よりもかなり骨太な男になっていた。そのため、一年ぶりの里帰りではみんなを驚かせ、錦を飾ったのだった。 「朝起きたら、玄関の外に牛…
ダイジロウは引っ込み思案、視力も悪い。でも、サボテンに話しかける優しい心を持っている。本当にもうすぐにびびってしまうので、今日の帰りの会で隣の奴岡くんから小さな手紙をまわされた時も、先生に見つかるのが怖くて開くことが出来なかった。帰りの会…
ノボルが指をくわえて小屋を出るとき、おっかさんは背中を向けていました。 「オレ、野原へちょっと行ってこよう」とノボルがこわごわ振り返って言いましたら、おっかさんはそのままちょっと黙っていましたので、ノボルは土間の方まで来てしまいました。 「…
宮沢賢治の「サガレンと八月」のことを思い出して、あれおもしろいからそれを元になんか書こうと思って昨日今日やってたら、やっているうちに途中からほとんどそのままになってしまったのを載せます。 「サガレンと八月」は http://why.kenji.ne.jp/douwa/58…
「なんでトートバッグでくるんだよ!」 メールを頼りに集合場所に来て初めて会うパーティーの格好を見た途端、遊び人が叫んだ。勇者と戦士が、トートバッグを肩からさげていたのである。紅一点の女僧侶は、物がまったく入らなさそうな森泉デザイン、THE GINZ…
日本にホームステイをして帰ってきたカールの様子がおかしいことに気付いたのはまず弟、そしてお母さんだった。お父さんはいなかった。アメリカに帰ってきて以来、カールが、これは前からだが全然部屋から出てこないし、出てきたと思ったら終始ポケットに手…
足の親指の爪が死んでいるカリスマシェフ、ポワソン椎野は、料理特番「カリスマフランス料理バトルロワイヤル」を直前にひかえて、靴と靴下を隠されたのだった。このままでは、このままでは死んだ爪を見せながら料理することになる! 「時間です、スタジオ入…
100mレースの相手は世界最速のスプリンター、ミスターロケットマン。普通ならそこでビビってしまい「どうせ負けるから、どうせ負けるから」と周囲にこぼしておいて内心「ロケットマン風邪ひけ」と思ってしまうところだが、ミニ四駆は違った。 「思いきり…
今週もまた、五年二組に音楽の時間がやってきた。 音楽の波動キミ子先生は、ピアノを囲んで丸く置かれた椅子に座ったぼくたちをなめ回すように見た。そして、持ったフルートを片方の手の平に軽く叩きつけて歩き回りながら、 「お前ら今週もノコノコと音楽室…
午前十時、ここ町田の都内で一番でかいブックオフに「連休返上」と書かれた鉢巻をした、柔道着の男がやって来た。傍らには、明らかに弟子といった様子の小男がおり、鉢巻きに「師匠ならやれる」と書かれていてやっぱり弟子だった。男はブックオフに入店する…
みなさん聞いてください。フランスパンにニンニクをこすりつけるのは一旦止めて、聞いてください。一旦ニンニクを置いてください。私は神です、人間関係の神です。それに関係する神です。ネットで誰かの悪口を書くのは止めてください。なんになるんですか、…
誘拐犯が隠れている場所をつきとめた黒人探偵かはわからないがとにかく黒人のアフリカマンは、日本語がわかっているのかいないのか、警察からの「そこで待つように」という電話での説明にも無言で対応し、みんな心配していたが、案の定たった一人で踏み込ん…