2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「なにぃ!俺のドレミファソードが効かないんですけど!」 ト音記号みたいな形の剣がドラゴンに弾かれると、東野は派手に尻餅をつき、そのまま五十メートルほど飛ばされた。 「くっ、わかりましたよ! 奴の皮膚はカッチカチなんです!」一年の西岡がドラゴン…
西暦2X06(にせんエックスっぴゃくろく)年、下馬評どおりにオノデン坊やが駆け回り、さすがにライターでびっくりするような部族は消えた。二十一世紀初頭の徳島ぐらいに栄えた今日のアマゾンの奥地では、今日も二槽式洗濯機が回りまわる。 しかし、人間…
月極駐車場の一番奥、フリスク感覚でシンナーを吸う不良がたむろしているところへ、その少年は現れた。 「そこの不良たち、シンナーは誕生日だけにしたほうがいいよ」 その声に、全国の不良たちが次々と立ち上がった気がした。なめるなよ。 「なんだとぉ!?…
「パンツ。……ドルチェ・アンド・ガッバーナ、38900円」 アナウンスが服の説明を伝える中、「パリっ子は違うな」という声が聞こえた気がした。それほどの上から下まで絶妙ときめきコーディネート。スパンコールの大盤振る舞い。ドライアイスの煙で膝から…
『オマジナイト・塚先生こんにちは。 突然ですが、ぼくの家はアスパラ農家を営んでいます。両親と、兄と僕の四人家族です。父と母はそろそろ本格的に家業を継いでもらいたいと考えているのですが、本来なら長男として家を継ぐべき兄が貧弱なために、問題が起…
高校生で偏差値30で不良のケンジとマユミは、深夜の田舎国道を走っていた。原付を乗り回して得た交通ルールの知識とゲーセンで鍛えたハンドリングで、コンビニと巨大パチンコ屋と消費者金融の無人契約機を次々に切り裂いていく。時々イチャイチャしてみせ…
僕は完全にいじめられっ子なので、体育館裏に来いと言われたらやっぱり行ってしまう。そこには、松っきゃんとマルクス君がニヤニヤしながら立っていた。遠くからでも、体操着に書かれた『伊―1469〜1527組 マキャヴェリ』と『独―1818〜1883組 カール・マルク…
公務員試験勉強中の俺は、何やら昔の中国っぽい小さな四角形の部屋に居た。がらんとして、真ん中に俺が立っているだけ。ではなぜ俺が昔の中国っぽいと思ったかというと、部屋の四隅にラーメン丼状のくぼみがあり、そこにラーメンが入って湯気が立ち上ってい…
気づくと教師になっていた俺は、どうやらジャージを学校内で着こなすタイプの教師のようだった。俺が今いる部屋の外のプレートには、体育教官室と書かれていた。 「お前らさ、全然反省の態度が見られないんだよ」 俺はちょうど持っていた竹刀を、床にたたき…
俺が「全然覚えられねーよ」と言って投げた参考書が、クリントンに直撃した。 「いて」とクリントン。 「ごめんなさい。わざとじゃないんです。アメリカの政治制度がクソめんどくさいんです」 クリントンはどらどらという感じで、俺が投げた参考書の、折り目…
今日から、公務員になるための勉強をはじめます。正しくは、公務員になってもいいための勉強です。創作形式で、勉強したことを書いていきます。 以下は、勉強をする上での個人的テーマソングです。 シャナナ公務員 テクノロジーきてる 知らないうちに発電し…
村長の娘の結婚相手が決まる日、ザリガニが大発生した。不吉な予感。しかし、当の鼻の毛穴真っ黒女は、それでも、 「やりますやりまーす」 とトースト片手に宣言し、候補者の男達三人が鼻の毛穴真っ黒女の家に集められた。 集いしは、純白のタキシードに身を…
「あ、置くとこなくなっちゃいましたね……」 パンダが誰に言うでもなくそう言い、俺の後輩山田の勝利が決定した。山田は汗一つかかず、麦茶も全然減っていない。比べて、パンダの麦茶のあの減り方。しかもパンダはおかわりまでしていたはず。まさに完勝といえ…