2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ポリ公ネズミ取り大学・月曜一限目

ウーウーけたたましいサイレンが鳴り、そっから!?という位置からパトカーが飛び出してきた。 「やべえ。あいつ、とっつかまるぜ!」 タバコを買いに来ていた地元民の67歳は、片目をつぶって快哉を叫んだ。 ネズミ取りとは、国道の死角(ブラック・ボック…

Mama don't go, Daddy come home

家族で集まるなんて、ずいぶん久しぶりだ。家族っていってもたったの二人ぽっちだけど、お母さんが久しぶりに帰ってきたのだ。 お母さんが腕によりをかけた、ぼくがいちばん好きな麻婆茄子の夕食を食べ終わると、ぼくたちは家にあるものだけで自衛隊の戦車に…

シャザザ

秘密基地の前に立ったとき、ザリガニがたくさん集まった時に初めて出るにおいがしたので、腕白坊主たちはさっき雑木林の奥でしこたまハチにさされまくった顔を見合わせた。 普段から一緒にいるのに自己紹介が必要なほどはれあがった顔では、誰が誰やら判別で…

任侠立ち食い殺し

最近じゃヤクザモンの世界も大人しいもんだ。そう思ってるそこの君! 間違ってるよ。話が始まる前に、それだけは言っておこう。 ヤクザ坊主の俺は、貧乏大学生ここにありという服装(毛玉パーカー)で、かけうどんをすすっていた。誰がどう見ても立ち食いそ…

スラ無題ク

ムガール帝国を統治したアクバル大帝が9000頭のチーターを飼育して狩りに用いたという伝説を小耳に挟んで、非常にかっこいいと思った。 いろんなところでスピードというのは大事にされてる。先人たちが見出して伝えられてきたみんなの宝物だ。野球マンガ…

高校でもう一人暮らし

ヨシユキは明日の英語のテストに出てくる単語を、文房具屋で絶対売っている単語カードで覚えていた。「僕の字はきたない、そしてバランスもわるい」という男子学生の悲しい気持ちが夜の鳩胸にこだまする。「右のほうがすごくあまっている」 ヨシユキは高校生…