2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョジョを読み始めた日にすぐこれを書いてしまう僕の節操の無さ

「……俺の頭がどうにかなっちまったのか…俺の目は正常か? ヴァシナス、あの忌々しいMOVIEは、お前の目玉にも同じように映っているか? 反吐が脳天に注入されたような、そんな最低な気分だぜ俺は」 セイタリディスはまさに縮み上がっていた。汗が絶え間なく噴…

愉快・痛快・怪物会議

虫を殺す青白い光だけを頼りに怪物たちは話し合っていた。誰が憎き、セイント肌水マサルをやっつけに行くのか。はじめは立候補制だったのが、いつからか「推薦でもいいよ」となっていることが怪物サイドの苦戦を物語る。しかし、今日の会議の様子はちょいと…

美男子探偵スター

美男子探偵スターは、両開きのドアの向こうから、髪の毛をかきわけながら飛び出してきた。 「皆さん、落ち着いて僕の話を聞いてください。僕の見立てでは、俊彦さんが殺された部屋はあと数分で鳩のフンまみれになってしまいます。そうなればポリスたちが来る…

右腕一本

午前何時か知らないが、目が覚める。左腕の感覚がゼロ。俺の左腕が、俺の腕なのに、ベッドにへたって動かすことができない。あんなに動いてたのに、左腕あんなにお茶碗担当してたのに。ウソだと言ってくれ。何百ものステーキを押さえつけてきたお前じゃない…

悪魔の手作りレディオ

アンテナ代わりのメガネ(金属フレーム)を広げた瞬間、手作りのラジオが電波をキャッチした。音量を少し上げ、スピーカーに耳を押し当てると、二人の男が何やら喋っている。どうやらリスナーからの投稿コーナーのようだ。音が割れてはっきりとは聞き取れな…

刺激のない出会いに意味などなし

カメダスをインドに届けたい。その思い一つでスポンサーなしの旅を続ける夢島は、中央アジアの砂漠で途方に暮れていた。砂漠に入る直前バーミヤンに2時間いたので、飲まず食わずで行けそうな気がしていたのが間違いだった。夢島は腹ペコだった。子供の頃か…

焼肉

キャプテンがタン塩に手をかけた。ヤスノリは他の部員とともにキャプテン、そして倉田のまわりを取り囲んでいたが、牛タンがキャプテンの箸の先で風に吹かれているのを横目で確認すると、着ていたジャンパーを脱ぎ去った。そしてお下がりのジャンパーを、隙…

人間国宝

人間国宝の陶芸家まさしは滴る汗をぬぐいもせず、厳しい顔付きで燃え盛る窯を見つめた。一週間剃らなかったヒゲの中には白いものが混じり、赤く輝きを放っている。まさしの顔に深く刻まれた皺は、今まさに年輪に喩えられようとしていた。 「はい今! テイク…