2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

水が、水が

つけていたテレビがいつの間にかミニ旅番組になっていてつまらないのはともかく、今は水面の上昇のことの方が先だ、そうだろ、という雰囲気が充満していた。豪華客船の下の方、デッキに出るのに一番めんどくさい場所に位置するその客室には、船内でも一番早…

デイヴィッド・山田フィールドとインチキダヌキ

デイヴィッド・山田フィールドは幸せいっぱい夢いっぱいの世の中を取り戻すため、主に筋肉と反射神経と落とし穴と石で厳しい戦いを生き抜いてきたが、いくらなんでもそろそろ武器が欲しくなった。それは、服に興味の無かった高校生が大学に上がった途端に衣…

そんでマナブどうしたって?

非常に食いやすい。アジの開きの右んとこが非常に食いやすい。マナブは自分を責めた。どうしてこんな簡単なことに今の今まで気づかなかったのか。マナブのポロシャツは涙で濡れ、飼い犬の食欲が不思議とわいた。アジの一番左上のとこはすげえ食いにくい、な…

なめていると思われますよ

先輩が屁をこくと、コウモリが一斉に飛び立って洞窟は大騒ぎ状態になった。先輩は、めんごめんご、とスラップスティックに言いながらなおも先に進んだ。 「先輩、洞窟で屁をこくと、洞窟の神様にバカにしていると思われますよ」僕は言った。 「うるせーよ。…

ストップ地球温暖化アンド限りある資源を抱きしめてソイヤソイヤ

子供達が、それぞれ精一杯のやり方で温暖化をストップさせて地球を守ろうよという、ストップ地球温暖化アンド限りある資源を抱きしめてソイヤソイヤフェスティバルが、町内の一番広いところで開催された。 「そして僕はマイ箸を握りしめ、夕日に向かって歩き…

棟梁は弁当と一緒に梁の上

家は骨組みが完成したというところだった 。二階部分の梁の上にいる棟梁は、そこで弁当を立ち食いしていた。これは棟梁の七つある大工奥義の一つ「高い分うまい」、僕たち下っ端ヤングマン大工マンたちは、地上で弁当を食いながら、棟梁の美しい立ち食い姿を…

ロボ山の秘密

大人気小説家、ロボ山龍之介デラックスの家に訪れた記者とカメラマンは、どことなく火星人に似ていた。しかし、ロボ山は快く彼らを迎え入れ、水ようかんまで出した。天気とか水ようかんの話とかして場がこなれた瞬間、いきなり記者は切り込んだ。 「実は、ロ…

カレー小僧キヨハル

「ルーをよく見ろ!」 今日も師匠の声がキッチンに響いた。俺の名前はカレー小僧、キヨハル。毎日、定職にもつかず、カレー道場でカレーライス師匠の厳しい特訓を受けている。カレー選手権を明日に控え、練習も甘口から中辛へシフトアップしていく。 「48…

甘えるな甘えるな師匠

「助けてー!」 貧弱な子供達はサッカーゴールを皆で持っていっせいに叫んだ。 「誰か助けてー!」 少し離れた小高い丘の上で、甘えるな甘えるな師匠は、背後に勢ぞろいした若い母親達をにらみつけた。 「御覧なさい。あなた達の子供達の軟弱なあの様を、御…

再開と説明と追い込まれた火の玉ボーイの立場について

あの火の玉ボーイが帰ってきた。一ヶ月半前、かっこいいと思って更新を停止したそこそこのブログ「ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ」が、この一ヶ月半の間特に何も無いまま、格別おもしろくなったわけでもなく漠然と更新を再開する。 その期間、mixiで…