2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

こじらせるといふこと

なんらかの界隈で一悶着おこっている時、いやだな、何がいやなのかな、と考えていたらますます厭になってきて書いたものです。 細かいことや事実関係など問題にしていません。 何か論争の火種ができた時から、みなさん、裁判をしているかのような物言いにな…

「CSR」 (『内覧』より)

次は2階だった。 ふとした拍子で彼より先に階段の最初の一段に足をかけてしまい、一段一段の恐ろしく高い急な階段をせき立てられるようにして二階へ上がった。あまりに急で、横向きにならないと落ちてしまいそうな、切り立った崖のような階段であった。上に…

川辺

本町の住宅地を抜けて、赤と白の電波塔に見守られた大きなカーブを曲がっていくと、そのまま燕川の土手の犬走りにつながる。立ちこぎのマウンテンバイクを走らせて堤防までの坂を一気に上がると、見上げていた青い空が緑と川をしたがえた明るい景色に変わり…

ろくな性教育 ~地方都市のめしマズBros.~

「公園で、野球をすんな!」 公園で野球をしている子供たちをはっきりしない巻き舌で叱りつけ、真新しそうな金属バットを奪い取った二人の男。ずんぐりむっくりしたチビと、ひょろ長いノッポ。灰色のおそろいのハーフパンツに色違いの色褪せたTシャツ、緑は…

核心の在り方について

http://picup.omocoro.jp/?eid=1714#sequel このあいだ、どろりさんの「海」を読んでいた。この作品は、主人公に気持ちが寄り添うようにできている。それで最後に、その甲斐なくという言い方になってしまうが、此の世の無情みたいなものに触れることになるの…

シオマネキ

水平線まで続く一面の干潟に、小さな人影。子どもが一人こんなにうらさびしい場所を歩っている。見たとこ小学3年生ぐらい。ONE PIECEのTシャツ1枚かぶって、ちんちんちらちら覗かせて、重たそうな一歩を、飛沫を跳ね散らかしながら着くたび足首まで泥に浸…

サザンオールスターズ「栄光の男」を聴きながら製氷する夜

久しぶりに氷をつくっています。 早々に一つの穴を満たした水は、溢れて隣の穴にこぼれ逃げてゆきます。 次の穴から次の穴へ、同じ形に象られてゆきます。 キッチンの電灯一つが照らすその下の、小さなシンクの囲いの中の、所帯じみた製氷皿の凹みの上、そこ…

宮崎駿の「風立ちぬ」を見て

まず、僕は何かの感想として、極、極、個人的な感想というものが書きたいと思いました。 誰にとっても同じ意味にならないよう、それ以上ゆるぎない言葉でもって固定しないように気をつけたいと思いました。 批評でもあるまいし、作品の感想というのは、酷で…