オシャレ・ザ・沖本に学ぶオシャレ・ザ・ロード

 オシャレな広告は伝わりづらいが、オシャレな男はモテる。
 オシャレ・ザ・沖本はどこに行ってもよくモテる。沖本が留学先のパリで一番言った言葉は、「ボンジュール」をおさえて「パリにもバレンタインデーってあるんだ」なのだ。
 オシャレなCMには白人の子供が出ているが、オシャレな男は襟を立てている。
 沖本はいつだって、襟を立てたり下ろしたりして、オシャレ・ザ・ビームを放出している。沖本が襟をいじくらない時は、その裏に盗んだ指輪を隠している時だ。ルパンはいつもそこに隠す。
 オシャレな男がケガした時は、血が時間差で流れる。
 決闘で剣をまじえた沖本は相手が倒れる前に後ろを向く。ゆっくりと歩き出し、相手が背後で倒れるのと同時に頬からゆっくりと出血する。この時、カメラはその両方をとらえる構図で設置してある。沖本は絶対に患部へバンソウコウなど貼らないのだ。
 オシャレな服は生地がしっかりしているが、オシャレな男はバラエティ番組を見ない。
 沖本はBS2しか見ない。
 オシャレな雑誌は読むところが少ないが、オシャレな男はいつもハンカチを持っている。
 沖本の周りには自然と女性が集まってくるが、沖本は芝生の上に人数分のハンカチを敷いてやる。いやな顔一つしない。
 オシャレな音楽は不良を退屈させるが、オシャレな男は肌着を着ない。
 沖本が着ている純白のシャツの下には素肌がいつでもスタンバっている。今か今かと、シャツがはだけるのを待っているのだ。
 オシャレの道は険しいが、オシャレな男は文句など言わないのだ。