一年に一回書くという普通の日記

 ゴィークということもあって、実家に帰ってみた。実家に帰るとなんだか落ち着かなくてたいていは一日、ひどい時は当日の終電で一人暮らしの我が家に帰ってきてしまうのだけれど、今回は家族が二年半ぶりに一堂に会したという珍しい状況だったのでさすがに退散できず、することも無いまま一夜を明かした。去年までは兄がその家に一人で住んでいて両親は大阪に住んでいたんだけれど、今年から母親が帰ってきた。父親に会うのはほぼ二年半ぶりで何と呼んでいたか完全に忘れていたり、母親とは三ヶ月に一回ぐらい電話がくるといえど二年半で三回ぐらいしか会っていないのであの頃の自分に課した「もう母親には反論しないルール」を忘れていたり、兄はキングコング西野みたいなブログを書いている人間(一年ほど前に発見)で新卒社員で仕事に異様に燃えているので僕は怖がっていたり、という過酷な状況だったため、物置兼ミニスポーツジム(なんか四畳分ぐらいのくそ邪魔な筋トレ複合器具がある)となっていた自分の部屋に布団を敷いて、部屋にあった兄の本棚から劇団ひとりの『陰日向に咲く』を出してきて読んで過ごした。気になる内容はというと、連作短編集の力をやりすぎなぐらい前面に出した感じで結構楽しめて、夢は一応カメラマンとかデジカメのメモリースティックがわかんなくてあれこれ試行錯誤するとことか、読んでる時、ここいいなーって思ったんだけど、それを一時間半ぐらいで読み終えて、その勢いで本棚をあさってると、『14歳からの哲学』にボールペンで一ページに4行ぐらいの割合で線が引きすぎてあったり大量のビジネス関係の新書にどれも折り目がびっしりついていたり名言集みたいな本が十冊近く出てきたりして、まあでも僕も大人だし「うわーなんか兄貴すごいなぁ」と暢気に思っていたんだけど、極めつけに相田みつをの詩集が出てきた時にはちょっと寒気がした。翌朝、初めてトイレに行くと(前日はお風呂で垂れ流しました)、相田みつをの日めくりカレンダーがあって「うおお……」ってなって、なった勢いでそそくさと家を出て、どっか行こうと思ったけど人がいっぱいであきらめた。


こーれはイラッとしたぞ、のコーナー
・兄が前日に食中毒になっていた(おかゆ食べてんのw)
・僕が牛丼に七味やら紅しょうがやら何も入れないのを見て「あんた何も入れないんだね」をそのあと三十分で七回ぐらい言った(紅しょうがって入れます?)
・母親が銭金を見て「こういうのがホントの幸せなのかもしれないね」って言った(うわぁ〜)
・兄がうなずいた(!)
・その十分後に母親が「テレビだからこんな風にしてるけど、普段はつまんないだろうね」って言った(表に出ろぉぉ!)
・くりぃむ上田がアイスの原料(おから)がわからなかった時に母親が「この人でもわからないことあるんだ」って言った(「まあ」って言ってやった。「まあ」って)
・歯磨き粉が塩味だった(はぁ〜?)
・洗面所のコップのふちが白くカピカピになってた(洗え!)


これは変わっていなかったぞ、のコーナー
リステリンの味(うちずっと黄色)
・シャワーの水圧(流した気しない)
・母親がご飯のことを「メシメシくん」と呼ぶ時がある(やや早口で)
・「お風呂わいたよ!」(「やっぱ先入っていいよ!」)


親父の背中が小さく見えた、のコーナー
・携帯で見る乗換案内をまったく使いこなせない(とろっ、って思った)
・白髪が増えた(つっても年にしちゃふさふさだし黒いんだけど)
・外からぼんやり見たところ、風呂につかりつつ湯を抜きつつ体を回転させながらスポンジを持ってジャブジャブさせながらバスタブを洗っている(ジャーナリズムの欠片も無いものってお題思い出した)
・パチンコ屋のクジで使わないピザ焼き器を当てていた(かさばるぅ〜)


 まあでも、普通の家族です。みんなが見たら、普通の家族だなぁ〜って思うでしょう。