近況

 まず言っておくと、昨日の高橋の顔。人や自分をランク付けすることで毎日の活力を得ていた高校生(バスケ部)の高橋が交通事故で半身不随の車いすになっちゃって、自暴自棄になっていた時期を経て、同じ境遇の人間と共に生活するうちに徐々に自分の殻を破っていく中の、車いすバスケを本気でやっている人たちを見学した時にボールが転がってきた時の話なんだけど、聞く? 高橋がうまくボールを拾えなくて、ボールを受け取りにきた日本代表選手が車いすのスポークを使ってくるっとボールを拾って、そのボールを高橋に投げるのよ。で、高橋がボールを投げ返すと、「きみ、バスケやってただろう?」と言われるの。「ボールの扱いが違うものな」とか。そこで顔、高橋の顔。
 その顔は何かと言うと、一人の男が失っていたプライドが再び全身に行き渡る顔なの。感動した。感動したな〜。『悪人』といい、『リアル』といい、人間の顔ってすごいね。井上ってすごい。
 あとすごかったのと言えば、『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のミスター・チャウね。ケン・チョンって人が演じてるんだけど。
 特典映像の超傑作アドリブ・セレクションを、明日仕事なのに、僕は続けて5回観た。もし明日の僕に、コブラ会に浜でこてんぱんにされるなどのすごくいやなことがあったら、真っ先にケン・チョン先生の家の呼び鈴を鳴らすに違いない。しかも聞いて、あんなアドリブしといて、16歳で大学卒業して医者になって、おもしろすぎる医者としてコメディアンになるよう誘われて、「I have a dream」っつってコメディアンになったらしいよ。で、今も医者なんだって。度肝抜かれたね。
 観てるときは医者だなんて知らなくて、観た瞬間にズバッと尊敬したけど、医者っていうのを知ったら、なおさらグーグル検索が止まらない。僕も頑張ろう。僕も、僕の尊敬するみんながきっとしてきたに違いない半端無い努力しよう。それが毎日更新し始めた理由です。自己模倣の壁を、背面跳びで、なるべく見ないようにして超えていく僕の喉筋をこそ、みんなに見て欲しい。
 あと、横尾忠則Twitterで「スランプなどというものはない。スランプだと思っているだけ。描けないのではなく、描かないから、描けなくなるのだ。 」ってつぶやいてた。これもよかった。