セレブ探訪

 スターダムを駆け上がりたいですかという質問に98%が「はい」と回答したアメリカ合衆国では、寄付は億ドル単位っしょが合言葉。
 ホワイトタイガーとそれを操る人をペアで買おうか、それともプライベートジェットにぴあみたいな自分の似顔絵を描こうか、目移りしてしまうカタログを手に裸で暮らしているセレブの暮らしは、庶民には作り話のように聞こえてしまうでしょう。パジャマしかり下着しかり、庶民が必死こいて金を払っているものが逆にタダになっていくというセレブの基本ルールからだけでも、その異常な暮らしぶりがうかがえます。
 今回訪れたのは、そんなセレブのお宅です。
「ようこそ」
「日系何世に見える?」の決め台詞で有名なハリウッド女優、ジョディ・よしえ・セレビナは快く私を迎え入れてくれました。
 その笑顔は、『よしえにクラクラ zero』の有名なシーン、記憶喪失になり日系何世か一時的に忘れた中学生のよしえがルパン三世を鑑賞中に、私も三世だわ、と思い出した直後「原作:monkey punch」と出て微笑むシーンまさにそのまま。つまり、どこか日本人をバカにしていました。
 私はそれでもハグをして、二言三言、あることないこと、ラジコンのこととかを喋りました。
 よく手入れされた広い庭では、かっこいい細犬(ほそいぬ)が放し飼いにされています。用事があると自分で思った方向に、てきぱき動いています。
 それに、ほぇー、はぇー、と感心しながら白い豪邸の中に入ると、さらなる驚きが待っていました。
 猫がいっぱいいました。
 それから私は見るからに高そうなソファに案内されました。そこで悲劇が起こったのです。そう、セレブの必修ギャグであるブーブークッションを仕掛けられたのです。私は、まだ来たばかりだけど、とうとうキレました。
 よしえに一発、ちっさい黒人に二発。
 私は気付いたら病院のベットに寝ていましたが、三匹目のホワイトタイガーが出てきたところまでは覚えています。