私の駆け込みM−1大予想

 みなさん、ここで去年のM−1について考えてみましょう。一番おもしろかったのは誰か、よーく考えてみましょう。優勝したサンドウィッチマン? 違うだろ。毎度毎度優勝候補なのに初っ端のクジを引き当てて、一番手ボーナスの5点だか10点増ししたところでまずまずの得点を獲得し、後半でどんどん抜かされて、「一歩もここを動かんぞ」と言いながら退場して、最終的に5位だった笑い飯が一番おもしろかった。後から考えてみたら、ネタは全然忘れちゃったけど、やっぱりそうだっただろ。
 2006年のM−1でも、他の参加者の皆さんがネタ前に流すVTRでドキュメンタリーをやってしまう中、最終的に4位に終わった笑い飯の西田さんただ一人「優勝して金欲しいですよ」と西武ライオンズの帽子をかぶって言い放ち、日本中を爆笑させたことは記憶に新しい。俺は子供が生まれたら、真っ先にこの話をしてやりたいと思っている。末代まで言い伝えられるべきである。
 おもしろいってなんだろう。漫才師が漫才をやって一番おもしろかった。うん、おもしろかったんだろう、それはおもしろかったんだろう、わかるよ。でもふつーだなオイ! 俺はそういうことを口をすっぱくして言っているんですよ。もちろん、優勝は凄いよ、偉い。お前がチャンピオンだ。だから一千万円あげちゃう。でも、お笑い芸人なら、その時、この全世界の状況を肌で感じた上で、環境破壊のことも考えた上で、今Mー1をやっている真っ最中であることを考えて、その全てをこみこみにして一番おもしろいことをチョイスするべきだし、視聴者のみんなはそれで笑って、それがおもしろいと言うべきですよ。大和魂で、そこまで自分を追い込んで今この一瞬に賭けろと。だからもう極端に言うと、M−1で漫才をしてどうするタコ、ということなんですよ。それは言いすぎだろ絶対。
 別の言い方で説明しよう。陸上の人は大会で、一生懸命走るよ。空き時間はあんまり本気出さないようにして、力をセーブしてセーブして、体を軽くすべくおしっこも出し切って、いざ本番、体中の筋繊維というダイナマイトに火をつけて、駆け抜ける。あいつら全員、パワプロで言うなら走力15のAよ。そんな奴らが本番だけ全力を出すのは、それが、一番速いことの証明になるからだ。タイムを計って比べっこした時、「速っ」が「一番速っ」になる。わかりやすい。一方、お笑いはどうよ。どうですか。漫才の大会で一番おもしろいことは、漫才をして優勝することなのか。デーブ大久保に隠し子がいる世の中で、それが一番おもしろいことなのか。もちろん漫才はするよ、ルールだから。でも、最低限漫才はするけど、一番おもしろい事は、VTRの中で西武ライオンズの帽子をかぶって金を欲しがることだろって言ってるんですよ。そして結局優勝できないことだろって言ってるんですよ。2006年でいうなら、事前にライオンズの帽子をかぶって金を欲しがらない奴は、髪を伸ばして後ろで結んでなかった奴は、最終的に4位にならなかった奴は、笑い飯に、ていうか西田に、負けていたんですよ。一番おもしろい漫才を披露したところで、トータルで一番おもしろいものじゃなったら、もうその漫才は、文化祭のステージに立てるかどうかを決める予選レベルのクソ漫才ですよ、実行委員と担当の先生しか見ませんよ。違うちがう、今の理屈はおかしかった。



それを踏まえたうえで、俺が考える順位予想を脳のへりに焼き付けな!


1位  笑い飯
2位  松本人志
3位  ザ・パンチ
4位  大竹まこと
5位  今田耕司
6位  モンスターエンジン
7位  U字工事
8位  ダイアン
9位  上戸彩
10位 オール巨人
11位 ナイツ
12位 上沼恵美子
13位 中田カウス
14位 NON STYLE
15位 島田紳助
16位 キングコング
17位 渡辺正行