パソコン講座

「はい皆さん、パソコン講座の宴もたけなわで御座いますが、もう、エクセルもマスターしたし、クリックもダブル、トリプルとそつなくこなせるようになってきた、今ならフィフティ−ンいけちゃうかも、なんて方も多いんじゃないかと思います。そんなものありません。そこでそろそろ、一歩進んで、さらに上級者テクを学んでもらいたいと思っています。なに、難しいことはございません。上級者のテクというのは、今までやっていたことをもっと簡単に効率よくやるというだけのことですから、怖がる必要はないんです。例えば、キーボードの上に細かい塵、もしくは髪の毛なんかが落ちてしまったこんな場合。今までは皆さん、素人らしくハケ的なものを使うか、クリーナー的なものを使うか、はたまた慣れてくると普通にフッと息で吹き飛ばしていたはずです。が、上級者は違います。息で吹き飛ばすのは一緒ですが、むしろ手前に吹き飛ばしてやろう、というのが上級者です。つまり、中級パソコニストはディスプレイの方に吹き飛ばしてしまい、掃除しづらいディスプレイの下、ノートパソコンなら画面とキーボードの間の溝、といったディフィカルトスポットにゴミを入れてしまう。これを防ごうというわけです。その方法ですが、まず体を前に乗り出し、キーボードを顔と胸で覆い隠すようにします。そうです、あ、いいですね、代田さんの姿勢が抜群です。皆さん、代田さんを見てください。えー、では、その姿勢のまま、いいですか、下唇を丸め込みます、あっ、そう代田さん凄い。凄いですね、本当に、出っ歯なのが功を奏したと言いますかね、代田さん、ふふ。えー、そしてそのまま息を吐きます。自分のアゴに息を吹きかけるイメージで吹きます。そうすると、見てください、あら不思議、キーボードのゴミは自分の体の方へ飛ばされて服についたりなんかしていますね。その場で取ってゴミ箱へ捨てるのもいいですし、洗濯するしいいや部屋着だし、と放っておくのもいいでしょう。多くの上級パソコニストはそのまま放っておきます。だから、上級パソコニストの服はいつも汚れています。ゴミが多くついているほど、上級パソコニストと言えます。見ての通り、私はかなりの上級ということになります。私ぐらいになると、もう、ほら、Tシャツに書いてある英語がホコリで全然読めませんね」