ふぁいふぁふほーい大臣

 日本に、ふぁいふぁふほーい大臣という役職が非公式に存在するのをご存知だろうか。知らなかっただろ。
 その全貌はかなりぼんやりしているが、調査によると、現在では、名字が福田の奴が自分を内閣総理大臣に重ね合わせてあれこれ言って楽しむ、というものらしい。つまり、友達に福田がいてスパイごっこが好きだったらそいつはかなり高い確率(兄弟でスーパーマリオシリーズで遊ぶ場合に弟がルイージを使う確率)でふぁいふぁふほーい大臣なので、あっそうなんだな、と思うといい。
 ふぁいふぁふほーい大臣はなかなか多忙である。普段は会社に行ったり、バイトをしたり、学校に行ったりしている。ニュースで内閣総理大臣が何か言っていると、出番だ。あとは好き勝手言うだけである。言わなくてもいい。
 例えば、現在行われている臨時国会で、野党が石破に質疑していると思ったらいきなり首相に発言を求めてくる時があって、内閣総理大臣の福田はちゃんと聞いていたとはいえ、いきなりかよ、という感じで凄く大変そうだが、ふぁいふぁふほーい大臣の福田は「いきなり聞くんじゃねえよ、バカか!」「下っ端がイキるな」などとテレビに怒鳴っても全然オーケーなのである。
 であるからして、ふぁいふぁふほーい大臣は内閣総理大臣がピンチに陥った時ほど楽しくなってくる。前任の安部ふぁいふぁふほーい大臣達は、最後の方かなりおもしろかった。「かなり調子悪い」「寝たい」「ゾンゾンする」「普通のおっさんに戻りたい」など言いたい放題だったと記録には残っている。しかし逆に、森総理の時は森がふぁいふぁふほーい大臣みたいな物言いを続けたので盛り上がらず、さらに遡って小渕さんの時なんか、時のふぁいふぁふほーい大臣はその前に「誰がピザだ!」とか言っていて楽しかっただけに、なんとなく罪悪感があった。
 しかし、全てのふぁいふぁふほーい大臣の願いは、この国をよくしてくれよ、というもので、完全に国民の顔をしていてかわいいものである。ちなみに筆者の名字からすると、ふぁいふぁふほーい大臣就任の可能性はかなり少ないので残念だ。