問31
〔問題31〕
以下は、ある強盗未遂事件をうけてのA〜Eの五人の会話である。このうちの1人が、謎のヒーロー、お色気仮面パックンチョであることははっきりしている。嘘をついている人間が誰も居ないとすると、お色気仮面パックンチョは誰か。
A「あの打撃を喰らっちゃあ、犯人はありゃあ一たまりも無いな。だるま落としならもう立て直せないほど、胴がずれていたぜ」
B「それよりも、君は見たかい。パックンチョが自在に操るウッフン棒にアッハン棒を。二つとも、戦いの最中に何かの拍子でひっくり返ると、側面に描いてある外人の女の水着が取れていったじゃないか」
A「もちろん見たさ! お色気仮面パックンチョがいる限り、この町の平和は保障されたようなもんだぜ!」
C「フンッ、なーによ。お色気仮面っていっても、胸もまったいらでグラマーってわけじゃなーいじゃないの。強いのは認めるけど、そんなにチヤホヤすることかしら」
A「Cはお色気仮面にやきもちを妬いてんのさ!」
C「もう、何よぉー! あんたなんか知らないんだからぁー!」
E「CちゃんCちゃん……あんまり大きい声出すと……」
C「あ……」
「ヒソヒソ、ヒソヒソ」
C「は、恥ずかしぃ〜 イタイタしー視線……」
A「まったくよぉ。お前ちょっとは女の子らしくした方が、いいぜ! っつ〜の。 Z?!」
C「ム、ムッカつくヤツぅ!」
D「ハァッ、ハァッ、み、みんな、何かあったの?」
C「あら、D君ったら、こんな時にどこに行っていたのよ」
D「じ、実は、急にお腹の調子が悪くなっちゃってさ……」
C「情けないったらありゃしないわね」
D「緑便がエスプレッソメーカーのように噴き出て、死ぬかと思ったよ」
A「きたねえ話はやめろ!」
B「でも、大丈夫なのかい? 緑便だけでもきついのにエスプレッソメーカーとは、ちょっと心配だな」
D「もう平気だからさ」
A「それならいいけどよ」
E「あのねえ、D君。たった今、お色気仮面パックンチョが、おばあさんを人質に取った強盗を華麗にやっつけたの。風のようにやってきて風のように去っていって…かっこよかったわ」
D「へぇ〜、そいつは見たかったなぁ」
C「ほーんと、D君もあれぐらい頼りがいがあればねえ」
A「まったくだ!」
ABCE「アッハッハッハッハ」
D「トホホ……」
E(ごめんなさい、D君……こうするしかなかったの……)
E(そう、あなたに下剤を飲ませたのは、私……)
E(ヒーローにはいつか、正体がバレそうになる週がやってくる。その時のために布石を打たせてもらったの)
E(「絶対ソースせんべいと合うから」と言ってソースに乗せたあの白い錠剤が、下剤だったのよ……)
E(でも緑便のことは私は知らない……それは病院に行ったほうがいい……)
E(それにしてもCさん……ちょっと中学生でガサの大きいブラジャーをつけているからって……絶対に許さないわ)
E(さっき見たお色気仮面パックンチョのようには出来ないけど、昼ドラのやり方で決着をつけてやる……)
E(え……? さっき見た……?)
E(嘘……そんなことって……)
E「そうよ……私は、事件がお色気仮面によって解決されるのをA君たちと一緒に見ていたじゃない……!)
E(なら、お色気仮面パックンチョの正体はいったい……?)
E(そして松村の容態は……)