オマジナイト塚のNO占いNOLIFE

『オマジナイト・塚先生こんにちは。
 突然ですが、ぼくの家はアスパラ農家を営んでいます。両親と、兄と僕の四人家族です。父と母はそろそろ本格的に家業を継いでもらいたいと考えているのですが、本来なら長男として家を継ぐべき兄が貧弱なために、問題が起こっています。兄が流しそうめんの流れに負けて肩を外したり、テレビをつけたり消したりする時にピチュンという音がしますが、その衝撃で一人目を閉じて前髪もオールバックになびいているのを見るにつけ、僕は自分が家を継ぐことになる可能性を感じて不安になります。というのも、ぼくは農家を継ぎたくはないのです。ぼくには夢があります。僕は東京に出て先生のようにカリスマ占い師となり、金に余裕のある庶民に、薄暗い照明の中でああだこうだ言うことでぼろもうけの風を感じたいのです。いったい僕はどうしたらいいでしょうか。得意の占いで教えてください。それから、この連載のタイトルがなんだかこみいっていて読みにくいです』
(福島県 21歳・男性)


 読みにくいの話うっせーよ。うっせ〜。さっき、40の占いの資格を持つオレが、数ある占いの中から星座占いをチョイスして占ってみたところ、かに座のあなたは農家を継いでアスパラを作るべきです。かに座といえば、この間やっていた高校生クイズをあなたは御覧になったでしょうか。オレは全部見た。高校生クイズというのは、ヘキサゴンで即答する実力を持っているうちの父親がテレビの前で黙り込むほど難しいクイズを、頭のいい高校生が自慢の脳みそをフル回転させて解き合うのですが、そこで星座を延々言い合いっこするのがあった。簡単に言えば、星座古今東西。で、高校生達が百個以上も星座を言い合いっこするのですが、オレは途中で、何も星座まで覚えなくてもと思うと同時に、こいつらはマジで世界を征服すると思いました。そして震える手でトランプ占いをしてみると、見事に世界征服するという結果が出ました。40歳になった時、あいつらはゴリラとスズメバチを合体させた動物を作り出し、世界を我が物にするでしょう。しかしその時、一匹の鷹を肩に乗せた謎の男がどこからともなく現れ、全然役に立たないという占い結果も出ています。卑弥呼以来という、骨のヒビの入り方占いで出てます。では、そんな世の中で、あなたは何をするべきか、占いなんかやってる場合じゃないだろ、どしたどした。アスパラを作れ、アスパラを。わかるな。第二の人生を考えるのは、ドラム式洗濯機を買えるようになってからでも遅くは無いとオレは思う。ということは、どゆこと、当然オレはドラム式洗濯機をもう持っているということだね、そうだね。テレビを買い換えた回数も平均を大きく上回っているし、世田谷に家も建てている。童貞も凄くいい感じの時期に捨てている(15歳)。どうしてオレがここまで上り詰めたか考えてみると、オレの目はキラキラしていたけど、それがお金大好きの輝きでは無かったからだとオレは分析している。作りたての十円はビカビカしているけど、昭和四十四年製造は黒い、ずっと地面に落ちてた十円に至っては何がなんだか緑色になっている。お金はいつまでもビカビカしていない。そんなことは、高校生クイズに出てくる喜び方が気持ち悪い高校生の千分の一もシワシワしていない脳みそでも、考えればわかるはずだ。ぼろもうけの風を感じたい、なめるんじゃないよ。オレはビッグになりたかった、そしたらビッグになっていました。そういうことでしょう。自分が思ったよりずっとビッグになっていましたと。あれはちょうど、ごちゃごちゃした難しい漢字を手本を見ながら書いていたら異様にデカくなっちゃった時の感じで、オレはいつの間にか枠に収まる小さな男ではなくなっていた。そういう占い結果が出てます。色んな占いで、出てます。そいつを肝に銘じたら、今度からは、男ものの服のことを「メンズカジュアル」と呼んでみるべきです。オレの経験上、大体の友達にウケます。女ものの服の場合は、「オシャレ着」と呼ぶとひょうきんな人扱いされるという占い結果も出ています。これは女が三度の飯より大好きだといわれるタロット占いで出ています。
 ちなみにあなたのお兄さんですが、占ってみたところ、近々、大富豪の手札が良くて興奮して死にます。最後の言葉は「一番弱いのが9」。しょーもない。