チューチューカルテットのメンバーを紹介

 ご存知、俺たちチューチューカルテット。全国を放浪しながら、時々チーズを食べられればじゅうぶん幸せだ。心も体もドブネズミ、鼻は動きっぱなしなんだぜ。
 俺たちはキャラを立たせていることが世知辛い世の中を乗り切っていくコツだと信じている。キャラが立っていない奴から順に宇宙人に殺されていくと思う。なので、俺たちはそれぞれ、各自で見つけてきたお気に入りの道具を大事に持って、それで自分をユニークな奴に仕立て上げているのだ。その道具を状況に合わせて使い、ふりかかるピンチをしのいだり、組み合わせて使うことで必殺技みたいにすることも出来るので、凄くかっこいいと思う。
 一匹目、ネズ郎はいつも二つのサイコロを持っている。これは明らかに『ガンバの大冒険』に出てきた奴のパクりだが、同じネズミの話から堂々とパクってきたその心意気に免じて俺たちは知らない振りをしている。時々空中に放り投げたりするのは実にかっこいいが、役に立ったことは無い。
 二匹目、エリザネズ二世はいつもボタン電池を持っている。銀色でキレイなので、ドブネズミのくせにオシャレなエリザネズ二世は鏡の代わりにしているのである。一時期暮らさせてもらっていた家にいた人間の息子が持っているポケットゲーム機の電池が切れて困っていたので、お礼代わりにそのボタン電池をこっそり入れてあげようとしたが、微妙に型が違った。
 三匹目、ローラネズジーンズは、よくわからない軟膏を持っている。とある家、というか前述の家から盗み出したものだが、一度、ネズ郎の毛が抜けたハゲのところに塗ってみたら、地肌が変色し、それ以来使えないでいる。早く使ってみたいので、誰か大ケガしろとみんな思っている。
 さて、こうして書いてみると、よくもまあこんなに役立たずが集まったものだが、みんな俺の大切な仲間なんだぜ。
 おっと最後に四匹目、この俺が持っているのは携帯電話だ。店頭に置いてある、画面になんか描かれちゃってる見本のやつだけど、少なくとも武器にはなるんだぜ。別に戦うことなんてこれからもないけど、時々チーズを食べられれば俺たちはそれでいいんだ。