ドラゴンはとてもかしこい生き物だ。 夕暮れ時、カーテンを閉めるついでに窓を開けてみると、春の風はなおも冷たい。明日は雪が降るらしい。 ドラゴンは、やはり大きな背中をこちらに向けているばかりだった。汚れた猫の額ほどのベランダで、エアコンの室外…
で、実にそんな感じで作品に自己を投影しないようにやってきたのですが、この一年間に、自分をバリバリに投影して読んでしまい、この通りに生きようと思ってしまった本が二冊だけあります。 それが、世阿弥の『風姿花伝』と、村上春樹の『職業としての小説家…
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